昨年8月から、JIS(日本工業規格)による「省エネルギーラベリング制度」が始まっている。家電が一定の省エネ基準に達しているかどうかひと目で分かるよう、特定のラベルをつけて消費者に情報提供する、というものだ。ところでこのラベル、一体どのくらい商品についているのだろうか。取材した。
(財)省エネルギーセンターはこのほど、家電の省エネ性を比較できる「省エネ性能カタログ2000冬号」を発行した。これまでは、商品の消費電力などを中心に省エネ情報を載せてきたが、この号から新たに、省エネラベルと省エネ基準達成率を記載し始めた。
省エネラベルは、エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)に基づく制度で、法律で定められた省エネ基準を達成しているかどうかをラベルの色で示す。基準を達成していない商品には、丸くかたどられたe≠フ文字が橙色のラベルを、達成している商品には、緑色のラベルをつけることになっている。達成率、年間消費電力も合わせて表示される。対象品目はいまのところ、エアコン、蛍光灯器具、テレビ、電気冷蔵庫、電気冷凍庫の5品目だ。
ラベルは、一般消費者に省エネ性についての情報を分かりやすく伝えるためのもので、ラベルを参考に、消費者に省エネ性の高い機種を選んでもらうことが、大きな目的なのだ。
ラベルをつけるかどうかは「任意」
さて、「省エネ性能カタログ2000冬号」を見ると、ラベルが付いている商品と、付いていない商品がある。これについて省エネルギーセンターは「制度は任意なので、ラベルをつけるかどうかは、企業が独自に判断します」という。ラベルを付けなくても、企業が罰せられることはない。
給湯機器メーカーの長府製作所は、省エネタイプのエアコンを発売しているが、ラベルは付けていない。家電中堅メーカーの船井電機も、テレビのカタログには付けたが、エアコンにはまだ表示していない。
とはいえ、ラベル表示は今後、増える方向だ。「省エネ性能カタログ」でラベル表示がなかった富士通ゼネラルは、昨年末から順次ラベルを表示、船井電機も、春からエアコンのカタログにラベルをつける。
どこについているか
ラベルがあったとしても、消費者の目に触れるところに付けられていなければ意味がない。
ラベル制度では、「カタログ、商品本体、下げ札等、消費者に対して効果的な情報提供が可能な場所」となっており、特に指定はない。制度の所管庁である経済産業省は「原則として、カタログには表示してもらう」としているが、どこにラベルを付けるかも、企業の任意だ。
三菱電機は、カタログにはラベル表示をしているが、本体にはしていない。その理由について同社広報は「本体に省エネラベルだけつけても、あまり有用な情報になるとは思えない。ただ、カタログは消費者がよく見るものだから、こちらにはしっかり表示している」と話す。
小売店での対応もまちまち。全店舗で、店頭商品の見やすい場所にラベルをつけている家電店もあれば、全くつけていないところもある。
ラベルの意義、生かすも殺すも消費者
家電の省エネ性を、消費者がどう捕らえているかについて、企業も家電小売店も、「電気代が安くつくという観点が強い」と言う。省エネ=電気代節約という考え方だ。しかし省エネが「環境配慮」に結びつくという考え方が根付いてきたかというと、まだまだというのが現実だ。
ある家電店員はいう。
「電気代節約という見方で家電を選ぶなら、ラベルはそれほど意味をなさない」。省エネ家電は、そうでない商品より値段が高い。そのため、省エネ品とはいえ、消費電力が従来のものと大きく変わらなければ、電気代節約効果を考えてもなお、値段の安い商品を買ったほうが結果的に安くつく、という場合もあるからだ。
「『お金』を基本に商品選択するなら、省エネでない低価格品の方がお奨め、ということもあります。ですが、『環境』を基本に考えるなら、緑色ラベルがついた商品を目安にするよう、アドバイスしています」(店員)。
「省エネによって地球温暖化を防ぐ」というラベルの意義を活かすも殺すも、消費者次第、ということのようだ。
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