欲しい家電製品の上位にあげられる食器洗い乾燥機。食器の後片づけの手間を省きたい、手荒れを防ぎたいというのが購入動機のようだが、近年は「手洗いより節水できる」といった環境面への配慮もあって人気が高くなっているという。ただ実際に購入するとなると台所スペースの問題があり、欲しくても置けないという声も。そこで最近は奥行き30cmほどのスリム型といわれるものが登場し、各社の主力商品になっている。(財)日本消費者協会がこのスリム型4銘柄についてテストしたところ、洗浄力や使用性などに銘柄差が見られたが、中では汚れ落ちや乾燥性能がよく、食器もセットしやすいナショナルが高い評価を得ている。
テストした4銘柄は、いずれも各社の最新機種で、5〜6人用。どの銘柄も設置のしやすさをセールスポイントにしており、奥行きは30〜33・5cmと、前回テスト(97年)より20cmほど短くなっていた。その分、高さはあるが、スリム型になったことで、シンクと壁の間に横置きにしたり、正面を向けてシンクに置いたりと、各家庭の台所事情に合わせた設置方法が選べるようになっている。蛇口や吊り戸棚を避けるために、中折れ式や前開き式などドアにも工夫が見られた。
消費者の関心は何といっても汚れ落ちのよさ。汚れを付けた食器を入れて、標準コースと念入りコースで洗ってみたところ、最大人数量より中間人数量のほうが汚れ落ちが良かった。
最大人数量での洗浄率は約44〜57%。汚れがすっきり落ちている食器があるかと思えば、皿にカレーが付いていたり、湯のみに茶しぶが残っていた。サンヨーはかごの右側に置いた大皿どうしの隙間が少ないためか、ごはん粒が残っていた。このほかの銘柄も洗浄率は50%程度で半数近い食器の汚れが残っていることになる。全体的に大皿とスプーン、フォーク類の汚れが落ちない傾向にあった。
中間人数量での洗浄率は約73〜80%。食器の数が少なくなった分、汚れ落ちは良くなったが、やはりスプーンや箸など細かなものの汚れ落ちは悪く、茶しぶが取れにくいもの、大皿の汚れが残るものもあった。
食後しばらく経ってから洗う場合や、油汚れが多いときなどは、念入りコースを使用する。洗浄時間が長く、湯温が高くなったりするものだが、洗浄率は約37〜62%で全体的に汚れ落ちは悪く、銘柄差も大きかった。最も汚れが残っていたのはサンヨーで、皿やナイフなどの汚れが落ちなかった。
乾燥性能をテストしたところ、乾きにくかったのは湯のみの糸じりやコップの内側などで、皿や茶わんなどはほとんど乾いていた。良かったのはナショナル。サンヨーはスプーンや湯のみなどがやや乾きにくかった。
使用水量や消費電力量を調べた。標準コースの使用水量は約14〜19Lで、少ないのは東芝。念入りコースは約15〜23Lで、サンヨーが少なかった。両コースとも多かったのはTOTOである。標準コースの消費電力量は最大人数量が602〜720Wh、中間人数量が548〜653Whで、どの銘柄も中間人数量のほうが少ない。サンヨーとTOTOの消費電力量が少なく、多いのは東芝だった。念入りコースの場合は最大人数量が689〜860Whで、中間人数量が696〜792Wh、良かったのはどちらもサンヨー。ナショナルはどちらとも多く、東芝は中間人数量で多かった。
女性テスター5人が使い勝手を調べたところ、食器のセットのしやすさなどに銘柄差が見られ、それぞれ横置きにした場合と、正面を向けて設置した場合とで違いがあった。実際の設置状況を考慮して選ぶ必要がありそうだ。掃除のしやすさで差が出たのはフィルターの取り出しやすさ。TOTOは下かごが十分手前に引き出せるので、フィルターを傾けずに取り出せる。ごみがこぼれそうにならないのもよかった。
テスト結果から協会では、「食後は汚れを長い時間放置しない、また皿についた残菜や汁などは落として、かごにセットするときは、水流が十分食器に当たるように食器の数を少なめにしたり、隙間をあけて並べるのが上手な洗い方。食器の並べ方に余裕があると、乾燥もしやすくなる」とアドバイス。さらに「スリム型ならこれまで設置が難しかった台所にも置けるかもしれないが、ドアの開き方に特徴があるので、機種によってはドアを開けると吊り戸棚に当たったり、シンクをふさいでしまうことがあるかもしれない。購入時には本体の設置スペースだけでなく、開いたドアが蛇口や吊り戸棚などに当たらないかなども調べて選んでほしい」としている。
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