梅干しのテスト
調味梅干しは塩分少なめ
(財)日本消費者協会

 近年の健康志向で低塩をうたった食品が多く出まわっており、 日本の伝統的な保存食品である梅干しにも、 低塩、 調味料を使用した食べやすい商品が販売されている。 また、 JAS法の改正により加工食品にも原料原産地表示が必要になるなど、 表示の面でも大きく変わりつつある。 そこで、 香川県消費生活センターは、 市販の梅干しについて表示を調べるとともに塩分や酸含有量などを分析し、 手作り梅干しとともに比較した。 テストの結果、 調味梅干しは塩分が少なめだが、 酸味を抑えているなど口当たりの良さからも多量摂取による塩分の取りすぎが懸念された。

 テストしたのは、 「梅干し」 5銘柄、 「調味梅干し」 8銘柄、 「手作り梅干し」 2銘柄の計15銘柄。 テスト期間は平成14年2月〜同15年3月。

 品名、 製造者等の住所・氏名、 内容量、 賞味期限、 原材料名、 食品添加物については、 全ての銘柄に表示があり問題なかった。 平成13年10月から義務付けられた原料原産地表示は、 国内で加工された11銘柄全てに表示があり、 そのうち4銘柄が輸入梅 (中国産) で作られていた。

 塩分については、 梅干しの平均は17・6%、 調味梅干しの平均は8・4%となり、 梅干しの塩分は調味梅干しの約2倍あった。 また、 塩分濃度の表示がある銘柄はほぼ表示どおりの値だった。 手作り品 (14・15) は、 いずれも塩分濃度10%で作られたものだが、 14は保存性を高めるために水分が低くなっており (46・7%)、 出来上がった梅干しの塩分濃度が27・2%と非常に高くなっていた。

 梅には、 酸味の主成分であるクエン酸などの有機酸が多く含まれていることから、 梅干しにどの程度酸が含まれているかを調べた。

 酸含有量は梅干しの平均5・09%、 調味梅干し平均2・87%となり、 梅干しの酸度は調味梅干しの約1・8倍。 調味梅干しは塩抜きをした梅干しを調味液に漬け込んで味付けしているため、 従来の梅干しに比べて食塩分や有機酸の含有量が少なくなっている。 疲労回復や食欲増進、 防腐・殺菌作用があるといわれているクエン酸だが、 酸全体の約6割以上を占めており、 梅干しのクエン酸は平均で調味梅干しの約2倍含まれていた。

 グルタミン酸については、 検出された調味梅干しは添加物として調味料 (アミノ酸等) を使用しており、 調味料を使用していない梅干しからは検出されなかった。

 合成着色料は、 表示のある銘柄から赤色102号・黄色5号が検出された。 表示のないものからは検出されなかった。

 価格は、 調味梅干しの平均価格が100gあたり (以下同様) 196円、 梅干しは249円で梅干しの価格が3割程度高かった。 原料の梅の原産地でみると国産梅を使用した銘柄は平均316円、 輸入梅 (中国産) では平均101円と原産国による差が大きくなっていた。 梅一粒あたりの重量でみると国産梅は輸入梅に比べて粒が大きかったが、 粒の大きいものが価格が高いとは限らず、 銘柄による差の方が大きくなっていた。

 保存試験では、 テストした全ての銘柄で室内保存4カ月間でカビの発生はなかった。


【消費者へのアドバイス】
◎市販されている梅干しには、 昔ながらの 「梅干し」 と食べやすくした 「調味梅干し」 がある。 商品には食塩相当量や塩分濃度の表示があるものが多く、 また梅の原産地も記載されており、 輸入梅を使用した商品も増えているので、 表示をよく見て自分の好みに合ったものを購入するようにする。

◎梅干し、 調味梅干しともに低塩の商品が多く、 以前の梅干しに比べて保存性が低くなっている。 開封後は冷蔵庫に保管し、 賞味期限以内に食べるなど注意が必要。

◎家庭で梅干しを手作りする場合、 保存性を高めるために乾燥しすぎると、 塩分濃度が高くなるので注意が必要だ。

◎調味梅干しは酸味が抑えられ食べやすくなっているが、 一粒あたりの塩分量は平均1・0g、 多いもので2・1gあった。 食塩については、 一日10g未満の摂取が推奨されている。 口あたりがいいからといって、 一度に何個も食べると塩分を摂り過ぎてしまうので気をつける。





苦情あれこれ
返金されない賃貸マンションの申込金
国民生活センター

≪事例≫ 結婚後の新居を探すために不動産業者を訪ねた。 そこで、 建設中の5階建てマンションを勧められた。 気に入ったが、 他の物件も探したい旨を伝えたところ、 「この物件は入居希望者が多い。 あらかじめ部屋を押さえておく必要がある」 と言われ、 1カ月分の家賃 (6万3000円) を申込金として支払った。

 数日後、 申込金を支払った物件の周辺環境等が気になったので、 断ることにした。 不動産業者に電話をしたが、 「申込金は貸主の承諾後は返金できない。 領収書に明記してある」 と言われた。 申込金を返金してほしい。


≪調査・処理≫ 賃貸借契約を申し込む際、 申込金・手付金・内金・予約金などの名目で一定の金銭 (預り金) を求められることがある。 契約前に借主が断ると 「貸主の承諾を得ているので返金できない」 などと不動産業者が説明し、 預り金の返金を拒否するケースが少なからず見受けられる。

 そもそも賃貸借契約の成立には、 契約の成立前に宅地建物取引業者から当該物件の重要事項についての説明を受けた上で、 書面が交付されることになっている (宅地建物取引業法第35条)。

 賃貸借契約の成立前に支払われた金銭は、 名目を問わず、 すべて預り金とみなされる。 そのため、 契約成立前に預り金を受領していた場合、 その預り金は申し込み順位確保のための証拠金として授受されるにすぎず、 賃貸借契約が成立するわけではない。 よって、 キャンセルした場合には、 業者は預り金を返金しなければならない。

 事例では、 預り金は返金されるべき性質の金銭であることを主張した結果、 全額が返金された。


≪アドバイス≫ 事例のように、 預り金をめぐるトラブルが絶えないため、 同法第47条の2第3項の国土交通省令及び同法施行規則第16条の12第2項で 「預り金の返還の拒否の禁止」 を定めている。
 業者は、 金銭の支払いを求めることによって消費者が簡単にキャンセルすることを防ごうと考え、 申込金などの名目で預かっているものと思われる。

 センターでは 「このようなトラブルを防ぐためには、 預り金を求める業者には注意し、 どうしても預り金を支払わなければならない場合には、 契約の締結に至らなかった場合には返金される旨を明記してもらうことが大切」 とアドバイスしている 。





危害・危険情報
『警告表示』で製品を安全に使用
化学製品PL相談センター

 当社の粘着フック(制限荷重1・5kg)に関し、 『壁紙に張ってスピーカー(0・5kg)をかけておいたところ、 半年後にはがれ、 落下のはずみでスピーカーと床が損傷した』 という苦情を受けている。 壁紙は一般に表面に凹凸があるため、 フックの粘着面が密着しにくく、 はがれる恐れがあるので、 製品には 『壁紙には使用できない』 と表示している。 それを守らずに生じた被害については責任を負いかねると考えているが、 申し出者は 『はがれるとまでは書かれていない』 と言っている。 このような場合、 PL(製造物責任)法ではどのように解釈されるのか」という相談が化学製品PLセンターに寄せられた。

 PL法では、 製品の欠陥によって生命、 身体又は財産に係る被害が生じた場合、 製造業者は被害者に対して損害を賠償する責任があるとされているが、 ここでいう「欠陥」とは、 「製造物が通常有すべき安全性を欠いていること」を指し、 製造上の欠陥(製造工程に誤りがあった等)、 設計上の欠陥(安全性に配慮して設計されていなかった等)のほか、 指示・警告上の欠陥(有用性ないし効用との関係で除去できないような危険について、 それによる事故を防ぐための指示・警告が適切でなかった等)もこれにあたる。 しかし具体的な表示内容については定められていないため、 表示が適切か否かは一概に判断できない。 一般的には、 製品表示や取扱説明書に従わずに誤った使い方をしたり、 本来の用途とは異なる目的に使ったりしたために事故に至った場合は、 使用者の責任とみなされる。

 しかし警告表示の本来の目的は、 メーカーのPL法対策ではなく、 消費者が製品を安全に使用できるようにすること。 従って、 製品の使用にあたりどのような危険性が考えられるのかをより明確に伝えるためには、 単に注意事項だけでなく、 そうしなければならない理由や、 それを守らないとどうなるかも表示しておくことが望ましい。 ただし、 メーカーにとっては製品のデメリットについてあからさまに表示することに抵抗もあると思われる。 消費者は、 注意事項を守ればそのような危険を避けることはできるということを冷静に受け止め、 製品のメリットだけで判断するのではなく、 デメリット情報を隠さずに表示するような企業の姿勢をこそ正当に評価してあげてほしいと思われる。