カラーテレビのディスプレーは、 従来のブラウン管方式に代わり、 デジタル時代に対応した薄型・軽量化が特徴である
「液晶」 や 「プラズマ」 方式が発売されるようになり、 購入を検討する消費者も多くなっているが、
そのテスト情報はまだ少ない。 そこで、 国民生活センターは、 現在売られている最新型の薄型テレビや、
ブラウン管方式のテレビのディスプレーの性能を比較調査した。 また、 デジタル放送が2003年12月には関東地方の一部地域で放送が開始され、
2011年には全面放送になることから、 その映り具合を調べた。
ブラウン管方式のテレビは、 画面の内側の蛍光体に電子ビームを当てて (走査)
映像を表示するが、 原理的に映像のちらつきやひずみが生じやすく、 また、 ブラウン管の構造上、
大型になるほど奥行きが必要で、 重量も重くなるという欠点がある。
これに対し、 液晶テレビは、 電圧をかけると液晶分子の配列が変化するという性質を用い、
背後から強い光を照射し、 前面に配したカラーフィルタを透過する光の量を変化させて映像を表示しており、
薄型・軽量化が可能となっている。
プラズマテレビは、 電極を取り付けた2枚のガラス板を平行に重ね、 そのすき間の中に封入した希ガス (ヘリウムガスなど) に電圧を加えることにより、 発生する放電 (プラズマ) を利用し、 ガラス板の内側に塗布された3原色の蛍光体を発光させ映像を表示する仕組みで、 液晶テレビと同様に薄型・軽量化が可能。
これら最新の薄型テレビは市場にも目立ってきていることから、 そのディスプレーの性能に注目して、
画質 (鮮明さ、 視野角、 残像感など) や消費電力など、 タイプごとに特徴を調査、
以下にまとめた。
【テスト実施期間】
検体購入は2003年11月。 テストは2003年11〜12月
【テスト対象銘柄】
液晶テレビ、 プラズマテレビとも最新の売れ筋、 主力機種を選定。 液晶テレビは20V型と32V型、 37V型、 プラズマテレビは32V型と42V型、 ブラウン管テレビは32型を選んだ (Vはビジュアルサイズのことで画面表示部分を表したもの、 20V型以外はデジタルハイビジョン=液晶、 プラズマでは垂直画素数650以上)
【テスト結果】
@画質
液晶テレビは画面が明るく画素が細かいため鮮明に映るが、 動きの早い映像がぼやけたり、 画面の真正面約30度の角度で見たときに色合いが違って見えたりするなど、 映像の応答性と視野角にやや難があった。 一方プラズマテレビは、 解像度的には液晶とそん色はないが、 画素の構造上、 ハイビジョンテレビの最適距離といわれる画面の高さ約3倍の距離で見ると、 斜めの線や輪郭部にギザギザ感があった。 また、 窓ガラスや照明などが映りこみやすい。
A消費電力量
一般的にカタログに記載されている液晶テレビの消費電力は、 ブラウン管やプラズマテレビより少ないが、 32型ブラウン管テレビを基準にしてテストした結果、 同サイズの液晶テレビでほぼ同じ、 プラズマテレビは1・6倍ほど多かった。
B設置性
薄型テレビはこれまでのブラウン管テレビより奥行きが小さく、 設置スペースをとらない。 しかし、 大型になるほど横幅が増えるため、 レイアウトを考慮する必要がある。
C地上デジタル放送の映り具合
ゴーストに悩まされている地域でも、 デジタル放送により大幅な画質向上が期待できる。 ハイビジョン放送ではこれまでにない高画質映像が得られた。
【今後のテレビの選び方】
ブラウン管テレビの製造を撤退するメーカーもあり、 今後のテレビは薄型の液晶テレビやプラズマテレビが主流になると思われるが、 現在は高価でブラウン管の2倍以上する。
また、 アナログ放送は2011年7月まで継続され、 現在はデジタル放送とアナログ放送でほとんど同じ番組を放送していることや、 現在使用しているテレビでも地上デジタルチューナーを購入すれば視聴できることから、 買い替える必要がなければ、 当面は現在のテレビのままでよい。 地上デジタル放送対応テレビを購入する際は、 週に半分以上の番組がハイビジョン放送になるため、 高画質を生かすならハイビジョンテレビがよい。
【使用上の注意点】
(1)省エネ
省エネのためには、 画面の明るさを適度に調整したり、 省エネ機能を使用したりするとよい。 特に消費電力の大きいテレビでは、 違いが出る。
(2)パネル面への衝撃
液晶やプラズマテレビのパネル面は、 ブラウン管のような厚いガラスで覆われていないので、 強い衝撃を与えると破損することも考えられる。
(3)焼き付き (残像)
プラズマテレビは、 静止画や時刻表示などの固定画像、 画面サイズが4対3の映像 (画面の左右に黒帯) など同じ映像を長時間映し続けると、 部分的に前の映像が残る焼き付きが発生することがある。 なお、 製品の保証期間内でもパネルの焼き付きは対象外となっている。
(4)転倒防止
薄型になり重心のバランスが従来のテレビとは違うため、 設置の際は転倒防止の処置をし、 壁掛けにしたい場合は専門の業者に依頼する。
(5)通風孔
薄型テレビは熱がこもりやすく、 背面上部の温度は約60℃に達したものもある。 タオルなどで通風孔をふさぐとさらに温度が上昇し、 発火の原因になることも考えられるので注意する。
【業界への要望】
全体的に性能が向上しているとはいえ、 液晶テレビは、 応答性の遅れによる映像のぼやけがあり、 また、 一般に言われているような省エネ性は確認できなかった。 プラズマテレビは画面がやや暗いにもかかわらず消費電力が多い。
さらに、 デジタルチューナーが内蔵された機種は、 電源を入れてから画面が出るまで時間がかかった。 今後の改良でさらなる性能向上に期待したい。
また、 プラズマテレビの焼き付きについては、 放送局がロゴなどを固定映像として放送するケースもあり、 使用者への注意だけでは焼き付きを防止できないケースも出てくるので、 プラズマテレビの特性上、 完全に焼き付きが防止できないのであれば、 放送局側との連携による対策も必要と思われる。
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