トイレタンク手洗い部の芳香洗浄剤 転倒 排水口ふさぎ水漏れ事故に 国民生活センター
トイレタンクの手洗い部に置く芳香・洗浄・消臭・脱臭剤など (以下、 芳香洗浄剤) が倒れて排水口をふさぎ水が溢れ、 階下まで被害が拡大するなど水漏れ事故に関する相談事例を受け、 国民生活センターは原因究明テストを実施。 固形や液体、 形態が異なる薬剤について、 トイレタンクの形状や流水量などとの関係で水溢れを招くことがないかを調べ、 消費者に情報提供している。
【実施期間】
検体購入05年12月 テスト期間05年12月〜1月
【芳香洗浄剤とトイレタンクの特徴】
◎芳香洗浄剤=水洗トイレのトイレタンクの手洗い部に置いて使用する芳香洗浄剤で、 東京都町田市内および神奈川県相模原市内のスーパーマーケットや100円ショップなどで見かけるものについて、 薬剤 (液体・固形) や形態の違いなどを考慮して8銘柄をテスト。
◎トイレタンク=形状の違いを考慮して、 隅付タンク (部屋の隅の壁に据え付けるタンク) と密結形タンク (便器の後部に直接据え付けるタンク) について、 大手2社の製品からそれぞれ2銘柄選び、 計4銘柄をテスト。 なお、 旧年式の隅付タンクで水漏れの事故が発生したことから、 旧年式の隅付タンク1銘柄もテスト対象とした。
【テスト結果概要】
芳香洗浄剤の転倒と水溢れに関する調査
◎芳香洗浄剤を旧年式の隅付タンクで使用した場合、 いくつかの条件が重なると、 転倒し水溢れになる銘柄があった=使い始めの芳香洗浄剤を、 旧年式の隅付タンク、 年式の新しい隅付タンク、 密結形タンクに置き使用した場合をテスト。 @トイレタンクの手洗い部が芳香洗浄剤が隠れるくらい深いA手洗い部に水が溜まるくらい流水量が多い―の2つの条件が複合的に重なりやすい、 旧年式の隅付タンクで使用して、 芳香洗浄剤の中心付近に水がかからないとき、 転倒する銘柄や傾く銘柄 があった。 転倒した銘柄は、 手洗い部内を浮遊し、 場合により排水口をふさいだ状態で静止することがあり、 手洗い部から水が溢れた。 年式の新しいほかのタンクでは、 このような現象は起こらなかった。
◎薬剤が減った芳香洗浄剤を旧年式の隅付タンクで使用すると、 転倒する銘柄が増えた=使用過程で薬剤の量が減ったことを想定し、 芳香洗浄剤の薬剤を2分の1にして、 前項と同様に旧式のタンクでテスト。 結果、 転倒する銘柄が増え、 前項で転倒した銘柄は、 より少ない流水量でも転倒した。 また、 このテストでも、 転倒で排水口をふさぎ、 水溢れが発生する銘柄があった。
芳香向洗浄剤を置いた場合の手洗い蛇口との間隔は、 間隔が狭くなり、 手洗い時に容器に触れ、 誤って容器を横倒ししてしまう可能性が考えられる。
通常と異なる置き方をした場合の排水状態について、 仮に逆さまになったり横倒しになった場合、 形状により排水口をふさぐものもあった。
【消費者へのアドバイス】
◎さまざまな条件が重なった場合に芳香洗浄剤が転倒し、 排水口をふさいで水溢れが発生することがある=テスト結果より、 さまざまな条件が重なった場合にのみ発生する特異な現象だが、 芳香洗浄剤を使用する場合には水溢れが発生する可能性があることを認識し、 表示に従いタンク横の止水栓で水量を調節するなど、 手洗い部の流水量などに留意する必要がある。
また、 芳香洗浄剤の薬剤の残量が少なくなると、 転倒しやすくなることも明らかになった。 芳香洗浄剤を使用する場合には、 最初に置いたときだけでなく、 使用途中も流水量などに留意する必要がある。
◎芳香洗浄剤を逆さまにしたり横倒しにしない=芳香洗浄剤を逆さまにしたり横倒しにした場合、 芳香洗浄剤とタンクの組み合わせによっては、 芳香洗浄剤の形状により排水口をふさぐことがあった。 芳香洗浄剤を逆さまにしたり横倒しにしないこと。 また、 手洗い時などに誤って横倒しにした場合などには、 すぐに正しい状態に戻す。
【業界への要望】
◎水溢れ再発防止への対策を望む=芳香洗浄剤の製造者は、 事故防止のため、 転倒しにくいような形状・構造、 排水が滞り手洗い部に水が溜まることのないような形状・構造、 また、 水が溜まって芳香洗浄剤が浮いて転倒しても、 排水口をふさぐことのないような形状への改良を望む。
苦情あれこれ 中・軽度障害者のトラブル 兵庫県立神戸生活創造センター
【事例】 療育手帳は取得していないが、 知的障害のある38歳の弟が携帯電話で女性に呼び出され、 ネックレス (55万円)、 指輪 (45万円) を次々に契約してしまった。 弟は収入が少なく振り込みが遅れ、 督促状が来たため被害に遭っていることが判明した。 どうすればよいか。
【事例対応】 相談の人のように中・軽度の知的障害者や精神障害者、 認知症の高齢者が消費者トラブルに巻き込まれるケースが目立つ。
「意思無能力」 と判定され、 契約は無効となることが多い重度障害者と比べ、 中・軽度の障害者の場合、 障害程度が比較的軽い分、 消費者トラブルに遭う傾向が高くなっている。
当事者が障害者手帳を所有している場合、 それを基に業者に契約の解除を申し出る方法があり、 障害者手帳を有していない場合でも、 契約時点で判断能力が不十分であるという証明書 (病院の診断書や養護学校の在籍証明など) を基に、 解約交渉をすることができる。
今回の事例は、 クレジット総額146万円を60回払いという長期の契約だったが、 当事者は契約金額や信販会社を利用した支払い方法などを理解していなかったり、 引き落とし用の銀行口座を販売員に開設させられていること、 商品を次々と契約させられていたこと、 販売員から 「人に尋ねられても契約額は3万円程度と答えるように」 と言われたことなどの問題点が見受けられた。 商品も使用しておらず、 センターが業者と交渉したところ、 無条件で解約することができた。
兵庫県は 「判断力の不足に乗じて契約を締結させること」 「消費者の知識、 経験、 財産、 収入などの状況に照らして不適当と認められる契約を締結させること」 を不当な取り引き行為として、 消費生活条例で禁止している。
障害者や高齢者の中には、 契約当時の記憶があいまいだったり、 誰にも相談しないまま時間が経過して、 解決が困難になる事例が多くある。 障害者が健常者と一緒に社会生活を送るためにも、 障害者を守る家族や地域の人たちの支援体制の充実が必要だ。
危害・危険情報 過度の効果 誤認を与えるものも 化学製品PL相談センター
高齢化や国際化の進展にともない、 誰もが暮らしやすく豊かな社会の実現に向けて、 ユニバーサルデザインによる製品・サービスなどの供給の重要性が高まっている。 そのような中、 「製品に 『ユニバーサルデザイン』 と表示したいが、 支障はないか」 と製造事業者から問い合わせがあった。
「ユニバーサルデザイン」 はもともと、 ノースカロライナ州立大学 (アメリカ) の故ロナルド・メイス博士が、 それまでのバリアフリーの概念に代わって提唱した概念。 年齢や能力にかかわりなく、 全ての生活者に対して適合するデザインを意味し、 @公平な利用A利用における柔軟性B単純で直感的な利用Cわかりやすい情報D間違いに対する寛大さE身体的負担は少なくF接近や利用に際する大きさと広さ―の7つの原則から構成されている。
日本でも各業種別団体、 生活者団体、 またユニバーサルデザインの推進などを目的とする任意団体などにおいて、 ガイドライン・自主基準の策定、 調査研究、 広報・普及などの取り組みが既に行われている。
また、 経済産業省においては、 学識経験者・消費者・産業界などからなるユニバーサル懇談会 (第1次、 2次) を開催し、 ユニバーサルデザインに関する問題点と対応の方向性について整理・検討を行った。 例えば、 事前に行った製造事業者に対するアンケート調査結果では、 ユニバーサルデザインに取り組んでいない企業は、 「ユニバーサルデザインの考え方をどのように適用したらよいか分からない」 「人間特性データベースなどの技術基盤がない」 などを、 取り組まない理由として挙げた。 これらを受け、 同懇談会の第2次取りまとめには、 ユニバーサルデザイン製品を設計・評価するために配慮すべき横断的な事項が示されているほか、 国や国内外研究機関が保有しているユニバーサルデザイン製品開発などに資する人間特性データベースも紹介されている。
ユニバーサルデザインを取り入れた製品が、 今後、 ますます増えていくと思われる一方、 01年に公正取引委員会が行った 「環境保全に配慮した商品の広告表示に関する実態調査」 では、 環境保全に配慮していることを示す広告表示の中に、 効果を過度に強調していると思われるものや、 効果について具体的に説明していないために、 消費者に誤認を与えると思われるものも見られた。 ユニバーサルデザインであることを表示する際にはそうしたことがないように、 どのような点がユニバーサルデザインなのかなどを具体的に示すことや、 その根拠となる事項について実証データなどに基づき説明できるようにしておくことも必要と言える。