出資法金利の見直しが過熱
経済規制は緩和すべきでない
 法外な利息で貸し付ける貸金業者に対し、 出資法第5条第2項の上限金利が99年の臨時国会において、 年40・004%から年29・2%に引き下げられた。 その条件として、 この上限金利を、 施行後3年を経過した時点で、 資金需給の状況、 その他の経済・金融情勢、 貸金業者の業務の実態を考慮して、 必要な見直しを行うとされた。

 だが、 施行後3年を経過した03年の通常国会で、 ヤミ金対策法が成立し、 04年1月1日に施行された。 これに伴い、 金利見直し問題は先延ばしされ、 ヤミ金対策法施行後3年を目途に、 見直しを検討するとされてきた。 その時期が06年9月から07年1月にあたる。

 消費者金融業界は、 この見直しの機会に、 出資法上限金利の引き上げだけでなく、 貸金業規制法に規定されている、 「みなし弁済規定」 の適用条件を緩和し、 金利規制を廃止し、 金利の自由化を促進することなどをもくろんでいる。

 金融庁は、 05年3月、 見直しに伴う貸金業制度などのあり方について、 「貸金業制度等に関する懇談会」 を発足させ、 与党自民党においても 「金融サービス制度を検討する会」 で貸金業制度の見直しの議論を始めている。

 だが、 サラ金利用者は2000万人を超え、 その内、 多重債務者が約200万人いるとされている。 それらの多重債務者は返済に行き詰まり、 自己破産や自殺者が交通事故死者を上回る8000人を超える悲しい事件が続出している。

 消費者金融業界の主張どおり 「金利引き上げ」 や 「みなし弁済規定の適用条件緩和」 が成立すると、 多重債務者が激増し、 社会問題だけではなく、 政治問題や日本国のあるべき姿が崩壊してしまいそうだ。

 弁護士会や司法書士会はさらなる 「金利引下げ」 とグレーゾーンをなくすように提唱する。 多重債務者の破滅を防ぐためだ。 日本弁護士連合会は出資法の金利引下げ運動をするため 「上限金利引下げ実現本部 (本部長・梶谷剛会長)」 を2月16日に立ち上げた。

 弁護士や司法書士に委ねることなく、 消費者団体や被害者などが結束して、 金利引下げ運動を国会へ陳情するなどの行動を示し、 金融業界の族議員に対し、 強い要望と説得がない限り、 金利引き上げになる可能性もある。

 国民的な運動の展開が望まれるところだ。