消費者を無視した利益優先
不祥事を隠蔽した不二家の姿勢
 新年早々の11日、 洋菓子の老舗・不二家は洋菓子の操業と販売を中止すると発表した。

 消費期限切れの牛乳を原材料に、 食品衛生法に定めている規定の10倍の細菌が検出され、 工場でネズミが大量発生する事態が起きていた。 そのまま消費者が口にする洋菓子の製造業者に対し、 見逃せない問題だ。

 同社は、 昨年10月から11月にかけ、 埼玉工場で消費期限が切れた牛乳を使ったシュークリーム約1万6000個を製造・販売した。 ほかにも期限切れ原料を使用していたケースが判明している。 同社の全国5工場に対し、 その地所の自治体が立ち入り、 食品衛生法に基づく検査をしたと厚生労働省は発表した。 検査した自治体は、 大手工場には製造記録などを義務付けている安全管理マニュアルがなく、 極めてずさんな製造運営と指摘している。

 同社は食品企業として、 社内規定が守られず、 品質管理体制が不十分であったことを認め、 全国の不二家チェーン店での洋菓子販売を休止すると社告を出した。

 だが、 スーパーマーケットやコンビニなどで販売されているミルキー、 ルックチョコレート、 カントリーマアムなどの菓子、 ネクターなどの飲料と冷菓については、 洋菓子部門とは別の工場で製造されており、 品質に関しては安全確認がとれているため、 販売するとしている。 しかし、 消費者には疑問が残る。

 この不祥事は昨年11月に発覚していたが、 クリスマス、 正月を控え、 公表すれば雪印の二の舞いになり、 営業収益に影響するとして公表を新年に持ち越した疑いだ。

 しかし、 雪印、 三菱自動車、 パロマ工業などの事件が事態を悪化させたのは、 製造工程などの隠蔽 (いんぺい) 工作やトップの責任回避が問題視されている。 だが一方、 松下電器産業は迅速に事実を公表し、 製品を自主回収する姿勢と行動で、 消費者からの評価が高まった。

 不二家のトップが報告を受けた時点で、 すばやく公表し、 事態解決に本気で取り組む姿勢が必要だったはず。 藤井社長は、 事の重大さから隠蔽するつもりはなかったと記者会見で釈明しているが、 2カ月も公表しなかった事実がある以上、 言葉通りには受け取れない。

 相次ぐ企業の不祥事に法令順守が唱えられているが、 実態の伴わない掛け声だけでは問題解決にならない。