食品業界のモラルハザード
人の命は企業利益より優先する
 消費期限が過ぎた牛乳を洋菓子の原料として使用していた不二家。 社長辞任だけでは済まされない問題だ。 口にした消費者に健康被害はなかったのかなどのデータがない。 雪印乳業事件の教訓は無視されたのか?消費者に与えた信頼喪失は大きい。 雪印乳業事件を教訓とした企業存続精神が食品業界のみならず、 他業界企業にも欠落している。 消費者の信頼が崩れたとき、 企業がもたらした不正、 不祥事の隠匿は企業崩壊への道とする教訓が築かれたはずだった。 コンビニや量販店などの店頭から、 不二家製品が姿を消した。

  「災害は忘れたころにやってくる」 という言葉がある。 この不祥事も雪印乳業事件が忘れられようとしているころに発覚した。 内部告発であろうが、 真実は1つ、 偽りは必ず表面化するものだ。

 先週末、 コカ・コーラ製の飲料から、 製造過程で異物が混入していた事実が判明した。 また、 京和菓子の 「おたべ」 を製造販売する鰍ィたべが自主的に行った社内調査で、 賞味期限切れの原料を使用した 「ハッパ・チョコレート」 を出荷・販売していたと自主申告した。 当該製品の品質検査をした結果、 健康への被害はないとする社告である。 健康被害がなければ良しとする認識は誤っている。

 食品にまつわる 「製品回収」 が相次いでいることの真相は何なのか?人の命より企業利益が優先するのか?北海道をはじめとする酪農家は牛乳の消費低迷で、 余った牛乳が北海道や九州で、 廃棄処分されている。 北海道では900dという異例のものだ。 飲用牛乳の消費が3年続けて減少していることが原因とされる。 廃棄処分された牛乳の行方は?20年ほど前、 当社に事務局を構えた 「内外消費者運動交流会」 が日本製食品を台湾のコンビニなどで試買したところ、 日本のコンビニやスーパーなどの量販店が消費期限、 賞味期限 (当時は製造年月日表示) が切れた製品を廃棄処分業者に処分を依頼し、 引き取った処分業者から仕入れた台湾の業者が製造年月日表示の上に輸入年月日表示を貼り付け、 スーパーで販売していた。 この事例は大きな問題として日本と台湾で報道され、 表示問題がクローズアップされた不祥事だった。 「歴史は繰り返される」 という言葉があるが、 製造業者の世代が代わり、 同じ不祥事を繰り返していると思えてならない。