官民交流が間違った方向に
国民が作るマニフェストも
 後を絶たない企業不祥事。 連日のように企業の幹部が記者会見で深々と頭を下げる光景が映し出されている。 企業倫理があるのかと首をかしげざるを得ない。 シンドラー社のエレベーター閉じ込め事故、 賞味期限を過ぎた冷凍イクラのラベルを1〜2年先の日付に貼り替え、 全国に販売していた宅配大手 「ヤマト運輸」 通販サイト運営会社アセットアルカディアヤマ事件、 暴力団に4億円を融資した興産信金会長の背任事件、 東横インによる不正改造事件、 シュレッダーによる子どもの指切断事故、 湯沸器による死亡事件など、 製品事故や賞味期限切れの原料を使用した洋菓子の販売などがあったか思うと、 最近では電力会社による原発事故隠しや日興コーディアル証券の不正経理事件などがある。

 なぜ企業倫理、 企業の社会的責任 (CSR) を破ってまで不祥事を起こすのか。 CSRとは、 社会に経済的価値を提供すること、 利益を社会に還元し、 社会に貢献すること、 企業不祥事を防ぐための取り組みではないか。 CSRに対する組織的取り組みをしているリコー、 ソニー、 ユニ・チャーム、 損保ジャパン、 富士ゼロックスなどは日本を代表する企業である。

 その中で、 不祥事が発覚する背景には政官業の馴れ合い、 癒 (ゆ) 着があるからではないか。 国際化での競争力や技術革新の激しさ、 社会的経済構造に急激な変化が伴い、 官民交流が欠かせないとした考えがあるからだ。

 従来、 行政にとっては、 公務の中立性を強調する一方で、 人材の確保と活用に閉鎖的になりがちである。 現在、 官民交流の制度として、 「中途採用」 「官民人事交流」 「任期付職員」 の採用がある。

 安倍首相は 「公務員制度改革」 で、 「役人天国を許すな」 とし、 天下り規制を強化する構えだ。 防衛施設庁の官製談合や業界談合などは民間への天下りが盾になっている。 受け入れた企業の不祥事は出身省庁の責任をかわす隠とくが伴う。 この隠とくが社会システムを揺るがしている。 企業不祥事の 「お詫び会見」 は儀式になっているようだ。 CSRは表看板にすぎない。 官民交流制度を導入した原案は官僚がつくったものだろうが、 天下りの代償として受け入れ企業の利益誘導があるはずだ。 それがお詫び会見にも現れている。 官民交流制度は社会を歪 (ゆが) めているようだ。