取引DPF消費者保護法3年見直し
消費者間取引装う“隠れ事業者”7割
法改正せず ガイドライン改正案
取引デジタルプラットフォーム (DPF) 消費者保護法が 2022 年5月1日から施行され、 3年が経過する。 消費者庁の 「取引デジタルプラットフォーム官民協議会」 で6月 13 日、 同法が適用されない消費者間 (CtoC) 取引を装う“隠れ販売業者”や“隠れサービス提供業者”が、 7割弱存在するという試算が報告された。 消費者庁は、 法改正はせず、 隠れ事業者かどうかを判別するためのガイドライン改正案を6月 17 日に公表。 7月6日 (郵送の場合は同日必着) まで意見を募集している。 「CtoC取引の場の提供者に期待される取り組み」 を追加し、 問い合わせ対応、 取引監視、 利用者の本人確認などが重要としている。(相川優子)
DPF事業者「出店社の連絡先表示」
25社中13社、8社調査に応じず
取引デジタルプラットフォーム (DPF) 消費者保護法は、 消費者保護の名前を冠しているものの、 アマゾンや楽天などインターネット上で取引の場を提供する取引デジタルプラットフォーム事業者に、 販売事業者と円滑に連絡することができるようにするなど、 3つの努力義務等が規定されているにすぎない。 施行後3年で、 特定商取引法で義務付けがある販売事業者の連絡先が分かりやすく表示されているか調査した結果、 33 社のうち 25 社しか回答せず、 分かりやすく表示していると回答した事業者は 13 社に過ぎなかった。 CtoC 取引の場となるデジタルプラットフォームの役割を含め、 同法の見直しや特商法通信販売の見直しが当面必要ないとはいい難い。(相川優子)
消費者事故11.3%減、相談は約90万件
2025年版「消費者白書」、消費者庁
政府は6月 13 日、 2025 年版の消費者白書を閣議決定した。 消費者安全法の規定に基づいて消費者庁に通知された 2024 年度の消費者事故は1万 4461 件で、 前年度の1万 6298 件から 11.3%減少した。 内訳は、 重大事故が 1849 件 (前年度 1658 件、 11.5%増)、 重大事故を除く生命身体事故が 3622 件 (前年度 3977 件、 8.9%減)、 財産事案が 8990 件 (前年度1万 633 件、 15.7%減) だった。 消費生活相談件数は約 90.0 万件で、 前年の 91.4 万件からやや減少した。 相談があった商品やサービス別でみると、 迷惑メールや不審電話などの 「商品一般」 が9万 9509 件と最も多く、 次いで 「不動産賃貸」 が3万 9653 件、 「他の健康食品」 が3万 3541 件、 「基礎化粧品」 が3万 1177 件と続いた。 SNS が関係する相談件数は8万 6396 件で前年 (8万 1049 件) から増加。 幅広い年齢層から相談が寄せられていて、 特に 40 歳以上の年齢層が占める割合が高い傾向がみられた。(原田恵理)