日本消費経済新聞2023年1月25日号
「経口補水液」表示に許可制
病人用食品の理解進まず
塩分過剰摂取のリスクも
消費者庁は1月 20 日、「経口補水液」の表示を来年度にも許可制にする方針を決めた。現在、3社の6製品が臨床データの提出が必要な個別評価型病者用食品として表示が許可されているが、許可を得ない「経口補水液」が出回わっている。医師や管理栄養士らの指示を前提とした病者用食品であることが十分に表示されないまま、日常的に摂取する人が出てきている。1本 500 に塩分が1.5g前後含まれ(1日の塩分摂取基準:男性7.5g未満、女性6.5g未満)、脱水でない状態で大量に摂取した場合は、塩分の過剰摂取による健康リスクが生じる恐れがある。一方で、WHO(世界保健機構)ガイドライン等に準拠していない場合は脱水状態が改善されない恐れもある。消費者庁が示した基準を満たせば許可が得られる特別用途食品の許可基準型病者用食品に「経口補水液」を追加し、「医師から感染性胃腸炎による下痢・嘔吐の脱水状態として指示された場合に限り用いる旨」の表示を求める。「熱中症」等を表示するには個別評価型の申請が必要になる。許可を得ない製品に「経口補水液」と表示した場合は、健康増進法、景品表示法違反になる。(相川優子)